スウォーレレポート
Swoulle(スオーレ)。
80年代初頭、LondonのVIDAL SASSON内で起こったムーブメント。
ヘアスタイリスト達が自己表現の手段として、ヘアショーなどの
規制を超えて行うパフォーマンス。
時には生魚を頭に乗せる者がいたり、静電気を使って毛を逆立てて切ったりしたそうである。
現在はそこまでの過激さは亡くなり、もっとアートよりになっている。
語源はフランス語の soire(夜会)をイギリス訛りで言ったからとか。。。
辞書には載っていない造語。

始まりは、国沢さんの師である茂木さんのお誕生日会。
boy , Hum , sakura(boyは師茂木のサロンHumは兄弟子黒須のサロン)3店が集まってのお祝いの席で、以前から茂木さん、黒須さん、国沢さんの間で話し合われていた各店から一人ずつ選出して行うスオーレの第1回目メンバーが発表された。(今年の始めからサロンごとのSwoulleは隔月で終了していた)

“Hum 河野くん。Boy 沖本くん。Sakura、、、内野。”

“え!わたしですか??”思わず言ってしまったが、決定した以上やるしかない。
まずは3人で自己紹介、電話番号交換からはじめた。
そして第1回ミーティング。
今まで面識はあってもたいした会話もしたことのない3人。人見知りしてる暇はないのでとりあえずビールで乾杯!
さて どうしよう。
思いついたコトをとりあえず言ってみる。趣味、休日の過ごし方とか。。でも
バラバラ。。それでもなんとか共通点を探す。
第2回ミーティング。
前回の共通点を織り交ぜて大まかな構成とコンセプト決め。場所と日程案。
7月26日火曜日。iiD世田谷ものづくり学校。   あと6週?
翌日、第3回。会場を下見。

翌日、ミーティング。
内容を決めたい。。。がそう簡単に決まる訳もなく。
とにかく出た案を実現するには、、、ということをひとつずつ考えて消去法で絞っていく。
何回かミーティングを重ね、町田までシュタイナー教育に基づいたワークショップに参加しに行き、やっと具体的なものがみえてきた!
始めて書いた企画書を持って、会場申し込み。
得体の知れない美容師達の集会に、いや〜な顔をされつつも押さえてもらう。
日程、場所、時間、決定!   ところで今何月?   もう7月。。。
ついつい焦ってしまうので、何回もはじめから確認しつつ進めてく。
大方内容が固まって来たところで、3人だけでは無理なのでスオーレチームを
作ることに。
主要メンバー10人+当日ヘルプ数名。
チーム結成後初ミーティング。
私にとってはほぼ話したことのない人達。
本来大勢の前で意見を言うことが苦手なうえ、根拠のない勝手なイメージを持っていた私は、暫く悶々と。。イライラ。。なんだか今まで3人で決めてきたことを壊される気がして。
でも違ってた。私がこんなつまらないこと考えている間にみんな真剣に先に進めて行く意見を言っていた。壁を作っている場合ではない!
チーム2回目ミーティングは、気合い入れて!それぞれアイディアと素材を持ち寄る。ここで沖本くんがboyの社長であるダイさんのアイディアを持ってきた。それは今まではっきりとしなかった私たちの案をやりやすい方向に導くアイディアであった。やってみよう!
その要素を取り入れつつ、自分たちなりの肉付けをして明日から実験開始しよう。
翌日。Humメンバーが遅くなるということで先に他の者で先に素材チェックをしていたとき。。。
“お疲れさまです。”とHumメンバー。。と黒須さん!!!
一瞬にして空気が固まった。なんで、、??そこから一時間半。スオーレとは何か、何故やるのか、と私たちが間違った方向に向かっていると。この日は解散。この後3人だけで3時まで今までのことを整理するためミーティング。
結局のところ、私たちの現状が曲がった形で黒須さんに伝わり誤解していたことが発覚!!そのためこのままではまずいと思った黒須さんは、私たちが間違った方向に進まないように、、、と意図してのことだった。
よかった。
そんなさなか何故か富士登山!
こんな時になんで登るの??と自分に問いかけつつも超突風の中無事登頂!

再び今までの内容を実際やってみて更に掘り下げる為、実践ミーティング開始。
内容を簡単にいうと。。
テーマは、イメージ。

スクリーンに映像、写真を映し、そこにプラス音、言葉、イメージ映像をもとにしてドローイングをして行く。というもの。

風景4パターン、メイク2パターン。
それぞれ3店のスタッフをミックスしてチームを分けた。
ここまで私は無意識にお店の枠でみんなを見ていたのだが、バラバラに分けたことでその人個人を見れるようになった。
あと何日?   あと10日。。。
もうやり込むしかない。ここからほぼ毎日深夜までミーティング。

よく考えればみんな仕事の後、眠気と戦いながら3人の為にがんばっている。
差し入れをしてくれた先輩達もいた。お店を汚してしまったり、空き時間をスオーレの為に使わせてくれたりと周りの人にたくさんの迷惑をかけたけど、みんな何も言わずにいてくれた。本当にうれしいと思った。
毎日遅くまで練習したけど、やっぱり時間に余裕なんてなくて、前日は4時頃まで準備にかかってしまった。
当日も早くから集合して最終の仕込み、買い出し、搬入。
そして台風が来た日、本番。
始め驚くほど緊張したけど、なんとか終了!(内容は写真を参照して想像を膨らませてください)
結果、評価はやはり厳しいものだった。やれることはやったと思うが、やはり結果が全て。見ていた人の心に響かなければただの自己満足。
でも、自分に厳しい意見をくれることはありがたいこと。納得してやったことだから、素直に聞けて、更にこれから明確に上を目指すことが出来る。
私はいつかまた、同じメンバーでスオーレをやってみたいと思う。
こう言ったら、他にも同じことを思っていた人がいてうれしかった。
こういう経験、私にとって人前で自分を表現する、という初めての機会を与えてくれた国沢さん、茂木さん、黒須さんに感謝している。
そしてこのスオーレで仲間ができたことが、とてもうれしい!
さてお次は。。。。健闘を祈る!!。そしていつか皆様の目にもこの会が発表出来る事を祈ります。